銀系無機抗菌剤「アパサイダー」
工業品用抗菌剤の抗菌性能
MBC試験法
【評価方法】
MBC (Minimum Bactericidal Concentration、最小殺菌濃度)とは、菌を殺菌するために必要な薬剤の最小濃度のことです。菌を各種濃度の抗菌剤と接触後培養し、菌の発育が認められない最小の濃度を確認します。
【評価基準】
最小殺菌濃度
数値が小さいほど微生物への効果が高くなります。
アパサイダーの最小殺菌濃度(単位 μg/ml)
菌種\グレード | AW | AK |
---|---|---|
黄色ブドウ球菌 | 3.25 | 3.25 |
大腸菌 | 3.25 | 1.56 |
※データの数値は代表値であり、保証するものではありません。以下の試験結果についてすべて同様です。
フィルム密着試験法 (JIS Z 2801 : 2010)
【評価方法】
フィルム密着法とは、プラスチック製品、金属製品、セラミックス製品等抗菌加工を施した製品(中間
製品を含む)の表面における細菌数を確認する方法であって、抗菌効果の試験としてJIS Z 2801:2010で
規定されています。
※繊維製品について、試験方法はJIS L 1902:2008に規定されているため別途で示す(以下繊維製品の
抗菌性試験法参照)。
【評価基準】
抗菌活性値
抗菌加工製品と無加工製品それぞれの試験における表面細菌を接種培養した結果得られた生菌数の対数値の差を示す値です。なお、抗菌加工製品の抗菌活性値が2.0以上のときに、抗菌効果を有すると判断されます。
SBRゴムシート
アパサイダーAK(0.3%、0.5%、1.0%)をSBRゴムシートへ添加した場合、0.3%以上添加することで抗菌活性値が黄色ブドウ球菌4.1、大腸菌6.1であった。
SBRゴムシート
試験体 | 黄色ブドウ球菌 | 大腸菌 | ||
---|---|---|---|---|
生菌数 | 抗菌活性値 | 生菌数 | 抗菌活性値 | |
無添加 | 1.5×105 | - | 1.5×107 | - |
AK0.3% | 検出せず | 4.1 | 検出せず | 6.1 |
AK0.5% | 検出せず | 4.1 | 検出せず | 6.1 |
AK1.0% | 検出せず | 4.1 | 検出せず | 6.1 |
※上記試験方法はJIS Z 2801:2000によるもの
PPプレート
アパサイダーAW/AK(各0.5%)をPPプレートへ添加した場合、抗菌活性値がAWは黄色ブドウ球菌4.6、大腸菌6.1であり、AKは黄色ブドウ球菌4.7、大腸菌6.2であった。
PPプレート
試験体 | 黄色ブドウ球菌 | 大腸菌 | ||
---|---|---|---|---|
生菌数 | 抗菌活性値 | 生菌数 | 抗菌活性値 | |
無添加 | 3.2×104 | - | 1.0×106 | - |
AW0.5% | 検出せず | 4.6 | 検出せず | 6.1 |
AK0.5% | 検出せず | 4.7 | 検出せず | 6.2 |
ABSプレート
アパサイダーAW/AK(各1.0%)をABSプレートへ添加した場合、抗菌活性値がAW/AK共に黄色ブドウ球菌4.3、大腸菌6.1であった。
ABSプレート
試験体 | 黄色ブドウ球菌 | 大腸菌 | ||
---|---|---|---|---|
生菌数 | 抗菌活性値 | 生菌数 | 抗菌活性値 | |
無添加 | 1.3×104 | - | 9.8×105 | - |
AW1.0% | 検出せず | 4.3 | 検出せず | 6.1 |
AK1.0% | 検出せず | 4.3 | 検出せず | 6.1 |
PEプレート
アパサイダーAW/AK(各0.5%)をPEプレートへ添加した場合、抗菌活性値がAWは黄色ブドウ球菌4.7、大腸菌5.7であり、AKは黄色ブドウ球菌4.1、大腸菌6.2であった。
PEプレート
試験体 | 黄色ブドウ球菌 | 大腸菌 | ||
---|---|---|---|---|
生菌数 | 抗菌活性値 | 生菌数 | 抗菌活性値 | |
無添加 | 1.7×104 | - | 1.0×106 | - |
AW0.5% | 検出せず | 4.7 | 検出せず | 5.7 |
AK0.5% | 検出せず | 4.1 | 検出せず | 6.2 |
PEフィルム
アパサイダーAW(1.0%)をPEフィルムへ添加した場合、抗菌活性値が黄色ブドウ球菌3.2、大腸菌4.7であった。
PEフィルム
試験体 | 黄色ブドウ球菌 | 大腸菌 | ||
---|---|---|---|---|
生菌数 | 抗菌活性値 | 生菌数 | 抗菌活性値 | |
無添加 | 3.5×104 | - | 1.1×106 | - |
AW1.0% | 1.9×10 | 3.2 | 2.2×10 | 4.7 |
繊維製品の抗菌性試験法(JIS L1902 : 2008)
【評価方法】
繊維製品の抗菌性試験は抗菌防臭加工又は制菌加工(以下合わせて、抗菌加工という)を施した製品の細菌数の試験法あって、JIS L 1902:2008に規定されています。
抗菌防臭加工とは、繊維上の細菌の増殖を制御し、防臭効果を示すことを目的とする加工をいいます。
制菌加工とは、繊維上の細菌の増殖を抑制することを目的とする加工をいいます。
【評価基準】
抗菌効果は抗菌加工によって認められる抗菌性の効果をいいます。静菌活性値、殺菌活性値によって評価します。
静菌活性値とは、抗菌防臭加工製品、殺菌活性値とは、制菌加工製品の培養後及び接種直後の生菌数の対数値の差を、差し引いた値をいいます。
殺菌活性値
殺菌活性値が0以上で抗菌効果を有すると判断されます。
PET繊維
アパサイダーAK(0.5%, 1.0%)をPET繊維へ添加した場合、殺菌活性値がそれぞれ黄色ブドウ球菌1.0, 0.9、大腸菌0.9, 0.7であった。本試験では制菌加工繊維製品を対象としています。
PET繊維
試験体 | 黄色ブドウ球菌 | 大腸菌 | ||
---|---|---|---|---|
生菌数 | 殺菌活性値 | 生菌数 | 殺菌活性値 | |
未加工 | 2.5×104 | - | 2.5×104 | - |
AK0.5% | 検出せず | 1.0 | 検出せず | 0.9 |
AK1.0% | 検出せず | 0.9 | 検出せず | 0.7 |
菌抵抗試験(JIS Z 2801:2010)
【評価方法】
上記フィルム密着法(JIS Z 2801:2010)の試験において、試験菌液を接種したPPプレート(無添加(ブランク)及びアパサイダーAWとAK(各0.5%)を添加したもの)の入ったシャーレを培養器中で温度35±1℃、相対湿度90%以上で24±1時間培養する。
培養後の試験片に付着した試験菌を洗い流し、寒天平板培養法による集落数を測定前に写真撮影した。
【評価基準】
測定した集落数を目視で比較する。
PPプレート
PPプレートにアパサイダーAW/AK(各0.5%)を添加した場合、黄色ブドウ球菌・大腸菌の集落は観られなかったのに対して、PPプレート(抗菌剤なし)は両菌種とも集落が培地の全面に観られた。
PPプレート
黄色ブドウ球菌 | |
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抗菌剤なし | AW0.5% |
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抗菌剤なし | AK0.5% |
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大腸菌 | |
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抗菌剤なし | AW0.5% |
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抗菌剤なし | AK0.5% |
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